スキャルピングEAにトレイリングストップを使用することのメリット

fx−on
Clker-Free-Vector-Images / Pixabay

スキャルピングEAと言えばストップロスを遠くにおいて近めのテイクプロフィットで勝率を稼ぐというイメージがあったのですが、最近ではテイクプロフィットをおかずにトレイリングストップで利益を伸ばしていこうというコンセプトのEAが増えてきています。

飛燕 EUR/USDもこうしたコンセプトを採用したスキャルピングEAですが、バックテスト、フォワードテストとも好調のようです。もっともフォワードテストを開始してからまだ日が浅いので今後の結果を注視していく必要はありますが、極端に勝率に振ったロジックではないようなので紆余曲折を経ながら右肩上がりの収益曲線を描いてくれるのではないかと期待しています。

飛燕 EUR/USDの勝率は59.79%とスキャルピングEAとしてはかなり低くなっています。通常のコツコツドカーン型のスキャルピングEAの場合だとこの勝率だと右肩下がりの収益曲線になるはずです。

これだけの低勝率でもトレイリングストップを使用して利益を伸ばせばトータルでプラスにすることが可能になります。

飛燕 EUR/USDはテイクプロフィットを設定していないので利益確定はトレイリングストップに頼っています。バックテストでは150pips以上の大きな利益を上げていることもあり利を伸ばすという目的は見事に達成しているように見えます。

また負けトレードを見ると初期設定のストップロスにかかることは少なく、トレイリングにより引き上げられた位置でストップロスにかかるケースが多いので負けトレード時の損失も少なくて済みます。

スキャルピングEAの多くはトレンドを判断してから押しや戻りを狙うわけですが、トレンドの方向性を見誤った場合にはストップロスに直行するケースも少なくありません。そんな時に発生する損失をトレイリングストップが軽減してくれるのです。

このように至れり尽くせりのトレイリングストップですが、どんな相場にでも有効というわけではなさそうです。

飛燕 EUR/USDの各年ごとの成績を見ると以下のようになっています。

ここ5年間は2015年を除き大きな利益をあげることが出来ていません。収益曲線を見ても後半の傾きが鈍くなっていることがわかると思います。

トレイリングストップにより利益を伸ばしていくロジックなので、おそらくボラティリティの高いほど利益が伸び、ボラティリティが低くなるにつれて鈍化していくのでしょう。上のグラフにはサブウィンドウにATRを表示していますが、ボラテリティが低くなるほど収益曲線の傾きが鈍くなっていることがわかると思います。

ここ5年間でちょっと調子のよかった2015年に関してはATRの数値も高くなっているので、このEAの成績は相場のボラティリティに依存していると言えるのではないかと思います。

トレイリングストップを使用しているスキャルピングEAのすべてが同じ傾向にあるとは限りませんが、利を伸ばしていこうという考え方が根底にある限り多かれ少なかれボラティリティの影響を受ける可能性があります。

ボラティリティが低い時に真価を発揮するEAと組み合わせるなど運用方法に一工夫する必要があるのかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました