売られ過ぎ、買われ過ぎ(Over Sold ,Over Bought)

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1.はじめに

1.1 テクニカル分析の概要

テクニカル分析とは何でしょうか?

テクニカル分析とは、過去の市場データ(主に価格と取引量)を元にして、将来の市場動向を予測する手法の一つです。要するに、過去のパターンやトレンドから未来を推測するのがテクニカル分析の目的です。これはFX取引だけでなく、株式市場や仮想通貨市場でも広く利用されています。

テクニカル分析は、多くの種類の指標やグラフを用いて行われます。例えば、移動平均線RSI(相対力指数)ボリンジャーバンドなどがあります。これらの指標やパターンを理解し、うまく使いこなすことで、トレーダーは市場の動きを理解し、利益を生み出すチャンスを見つけ出すことができます。

1.2 売られ過ぎ、買われ過ぎの基本的な意味

次に、この記事の主題である「売られ過ぎ」と「買われ過ぎ」について説明します。「売られ過ぎ」や「買われ過ぎ」は、市場参加者が一方向に大量に取引を行い、その結果として市場価格が「公正な価格」から逸脱した状態を指します。

具体的には、「売られ過ぎ」は市場参加者が大量に売りを行った結果、価格が過度に下落した状態を指します。逆に、「買われ過ぎ」は市場参加者が大量に買いを行った結果、価格が過度に上昇した状態を指します。

これらの状態は一時的に市場価格が公正な価格から逸脱した可能性を示す重要なシグナルであり、その後の価格の反転(リバウンド)を予測する上で重要な手がかりとなります。この「売られ過ぎ」や「買われ過ぎ」をうまく捉え、利益を生み出すための方法を勉強していきましょう。

これからFXの世界を探求していくうえで、テクニカル分析とその中の概念である「売られ過ぎ」と「買われ過ぎ」を理解することは非常に重要です。これらの概念を学び、理解し、自分のトレーディング戦略に適用することで、市場の流れを読む力が鍛えられ、より賢い投資決定が可能になります。

その結果、FX取引で成功を収めるための一つの手法を手に入れることができるでしょう。ただし、重要なのはこの手法が「絶対的な成功を保証するものではない」ということです。市場は常に変化し、予測不能な要素も含まれます。そのため、トレーディングは常にリスクを伴います。

しかし、テクニカル分析の知識を深めることで、そのリスクを理解し、適切に管理することができます。最終的には、自分自身の判断で取引を行い、その結果を自分自身で受け止めることが大切です。

2.売られ過ぎ(Oversold)とは何か?

2.1 売られ過ぎの定義と概念

「売られ過ぎ」とは何でしょうか?売られ過ぎとは、文字通り市場においてある通貨ペアが過度に「売られて」しまった状態を指します。これは、トレーダーたちが一斉にその通貨を売ってしまった結果、価格が通常よりも大きく下落してしまったという状況を示しています。

具体的には、「売られ過ぎ」は市場参加者が大量に売りを行った結果、価格が過度に下落した状態を指します。これは市場の一時的な過反応や、一時的なセンチメント(市場の感情)の変動を示している可能性があります。

2.2 売られ過ぎの発生条件と市場の反応

売られ過ぎの状態が発生する具体的な条件としては、大きな経済的なニュースや予期せぬ出来事などが挙げられます。これらの出来事がトレーダーたちの間でパニック売りを引き起こし、結果として価格が急落することがあります。

しかし、こうした急激な価格の下落はしばしば一時的なものであり、価格はその後、公正な価格に戻る可能性が高いです。この公正な価格への回復を「リバウンド」と呼びます。つまり、「売られ過ぎ」の状態は、しばしばリバウンドのチャンスを示す重要なシグナルとなるのです。

2.3 売られ過ぎを示すテクニカル指標

売られ過ぎの状態を特定するためには、いくつかのテクニカル指標を活用します。その中でよく使われるのが「RSI(Relative Strength Index)」と「ストキャスティクス(Stochastics)」です。

RSIは0から100までの範囲で表され、一般的に30以下の値は売られ過ぎの状態を示します。一方、Stochasticsも0から100までの範囲で表され、こちらも一般的に20以下の値は売られ過ぎの状態を示します。

これらの指標は、市場の過去の価格動向から計算され、現在の市場状況を示す一つの基準となります。売られ過ぎの状態を示すこれらの指標が低い値を示しているとき、それは市場が過度に悲観的になり、その通貨を過度に売ってしまった可能性を示唆します。

2.4 売られ過ぎ状態のチャート例と解説

具体的な売られ過ぎ状態のチャートを見てみましょう。チャートの一部にRSIやStochasticsが表示され、その値がそれぞれ30や20を下回っている箇所を探してみてください。その時点で価格が大きく下落していれば、それは売られ過ぎの状態を示しています。

RSIとストキャスティクスの売られ過ぎゾーン
RSIとストキャスティクスの売られ過ぎゾーン

しかし、価格が下落し続けるとは限らず、しばしば売られ過ぎ状態の後にはリバウンドが起きます。これが「売られ過ぎ」を利用したトレーディングの一つの戦略となります。

ただし、必ずしもすべての「売られ過ぎ」がリバウンドにつながるわけではありません。時には、市場のセンチメントが強すぎる場合や、その通貨に対する基本的な見方が大きく変わった場合などには、価格はさらに下落し続ける可能性もあります。このようなリスクを理解し、適切に管理することが重要です。

3. 買われ過ぎ(Overbought)とは何か?

3.1 買われ過ぎの定義と概念

買われ過ぎの状態が発生する典型的なシナリオとしては、極めて良好な経済指標の公表や、市場の好感情が一気に高まるなどの出来事が挙げられます。これらの要因が市場の短期的なバイアス(偏り)を作り出し、結果として価格が急騰することがあります。

しかし、通常このような急激な価格上昇も一時的なもので、市場はその後、公正な価格に戻る可能性があります。この公正な価格への回帰を、ここでも「リバウンド」と呼びます。つまり、買われ過ぎの状態は、その後の価格の下降(リバウンド)を予測する上で重要な手がかりとなるのです。

3.3 買われ過ぎを示すテクニカル指標

買われ過ぎの状態を検出するために、前述の「RSI(Relative Strength Index)」と「Stochastics」を活用することができます。

RSIの場合、一般的にその値が70以上を示すと、その通貨ペアは買われ過ぎの状態にあるとみなされます。同様に、Stochasticsが80以上の値を示すと、その通貨ペアは買われ過ぎの状態と考えられます。

3.4 買われ過ぎ状態のチャート例と解説

買われ過ぎ状態の具体的な例をチャートで見てみましょう。チャートの一部にRSIやStochasticsが表示され、その値がそれぞれ70や80を上回っている箇所を探してみてください。その時点で価格が大きく上昇していれば、それは買われ過ぎの状態を示しています。

RSIとストキャスティクスの買われ過ぎゾーン
RSIとストキャスティクスの買われ過ぎゾーン

そして、買われ過ぎの後にしばしば見られるのが価格の下降です。市場が一時的に過度に楽観的になり、その通貨が過度に買われた結果、価格が一時的に上昇します。しかし、その後市場のバランスが再び整い、価格が公正なレベルに戻ることがよくあります。

しかし、重要な点として、買われ過ぎの状態が必ずしも価格の下降を保証するわけではないということを理解しておく必要があります。市場のセンチメントや基本的な要因によっては、価格がさらに上昇し続ける可能性もあります。このようなリスクを理解し、適切に管理することが重要です。

4. 売られ過ぎと買われ過ぎを活用したトレーディング戦略

4.1 RSIを使った逆張り戦略

売られ過ぎと買われ過ぎの概念を理解した上で、それらを活用したトレーディング戦略について考えてみましょう。これらの状態を適切に読み取ることで、トレーダーは一時的な市場の過反応を逆手に取ることが可能となります。

具体的な戦略の一例としては、「逆張り」があります。逆張り戦略とは、市場が一時的に過度に買われ過ぎや売られ過ぎの状態になった時に、その逆のポジションを取る戦略です。たとえば、ある通貨ペアが買われ過ぎの状態にあるとき、トレーダーはその通貨ペアを売る(ショートする)ことで、価格が公正なレベルに戻る(下がる)を予測します。

同様に、ある通貨ペアが売られ過ぎの状態にあるときには、その通貨ペアを買う(ロングする)ことで、価格が公正なレベルに戻る(上がる)を予測します。

私がよく使うのはRSIを使った逆張り戦略です。RSIは最も使われているオシレーターなのでスキャルピングでの反応は悪くありません。

相場がボラティリティが低いときはRSIの売られ過ぎ、買われ過ぎでスキャルピングしているだけでもかなりの利益が期待できます。例えばアジア時間早朝の動きの穏やかな時間帯ではこの逆張り戦略が最も効果を発揮する場面です。

いわゆる朝スキャと呼ばれている戦略でシンプルな戦略なのでEA化することが容易で自動売買に最適な戦略です。この時間帯のスプレッドの狭いブローカーを見つけることさえ出来れば簡単に利益を見込めるのです。

朝スキャ以外の時間帯にRSIだけでトレードするのはリスクが高いので、トレンド系のテクニカル分析と組み合わせるのが一般的です。移動平均線でトレンドの方向を判断して、RSIを使って逆張りエントリーすることで戻り売り、押し目買いのトレードを再現することが出来ます。

4.2 過信は禁物

売られ過ぎ、買われ過ぎを利用したトレードは非常の効果的です。しかし、売られ過ぎや買われ過ぎが発生したからと言って必ずそこでリバウンドするわけではありません。相場の状況によっては、価格がさらに逆方向に動くこともよくあります。

特に重要指標発生時にRSIなどのオシレーターを使った逆張りは非常に危険です。オシレーターが売られ過ぎ、買われ過ぎのゾーンに張り付いたまま反転せずにレートが一方向に向かう可能性も考慮しなければなりません。

そのため、逆張り戦略ではリスク管理が重要になります。ストップロスの設定やポジションサイズの管理など、リスクを適切にコントロールする手段を用いることが重要です。また、基本的な経済指標や政治的な出来事など、市場の動きを左右する要因を常にチェックしておくことも大切です。

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