値動きの荒い相場でも勝ち残れる自動売買システムが求められていますが、本作「リバーサルエッジEA」はそんな期待に応えてくれるでしょう。MT4で動作する日経225専用のこのEAは、反落を狙うショートと反発を狙うロングという2つのロジックを組み合わせることで、荒れ相場でも効率的な運用を目指しています。本記事では、バックテストやフォワードテストのデータを踏まえながら、リバーサルエッジEAの実力と可能性を探っていきます。
このEAについて
- EA名:リバーサルエッジ 日経225
- 出品者:Jun Otake
- 販売開始日:2022年2月17日
- 利用者数:0名
- 運用可能会社:楽天証券、EZインベスト証券、OANDA、FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社)など、MT4採用会社
- 価格(税込): ¥19,800
反落を狙うショートと反発を狙うロングの2つのロジックで構成された日経225の自動売買システムです。三角持ち合いで上下する相場に強く、安定で効率的な運用を目指しています。エントリー判断は新しい1分足ごとに行われ、小反発を確認して買い、小反落を確認して売るという順張りのエントリーロジックです。両ロジックによりショートポジションとロングポジションの両建てになることもあります。
EAの説明
「リバーサルエッジEA」は、反落を狙うショートと反発を狙うロングの2つのロジックから成るMT4用自動売買システムです。新しい1分足が始まる度にエントリーの判定を行い、小反発を確認して買い、小反落を確認して売るという順張りのロジックでポジションを構築していきます。
値動きが荒い場面では静観し、適度に穏やかになったところでエントリーするなど、相場環境に合わせた賢いエントリーが可能です。また、ショートポジションとロングポジションの両建てにもなり得るため、三角雲行場の動きにも強いのが特徴です。日跨ぎや週跨ぎのポジションも積極的に取り、相場の動きを確実に捉えようとしています。
2023年10月にはバージョンアップを重ね、利益確定時のクローズと一定日数経過時のクローズの新ロジックが追加されるなど、臨機応変な運用が可能となっています。
ストラテジーについて
- 通貨ペア: 日経225
- 取引スタイル: スイングトレード
- 最大ポジション数: 1
- 運用タイプ: 自動売買
- 最大ロット数: 200(楽天CFDの場合。他社の上限まで)
- 使用時間足: M1
- 最大ストップロス: 売値(買値)から一定%上昇(下落)したとき
- テイクプロフィット: 買値(売値)から一定%下落(上昇)したとき
- 両建て: あり
- その他ファイルの使用: なし
- 特記事項: なし
反落を狙うショートと反発を狙うロングの2本柱で攻防を繰り広げるスイングトレードスタイルのEAです。最大で1ポジションまでですが、両建てもあり得ます。利確損切りはパーセンテージ方式を採用しています。反発売り気配や反落買い気配を的確に捉えて臨機応変にエントリーするのがこのEAの大きな特徴です。
バックテスト結果
- ストラテジーテスターレポート名: Reversal_Edge_for_JP225_v1_4
- 通貨ペア: Japan225
- 期間: 2017.01.23 – 2023.09.29 (2017.01.01 – 2023.10.01)
- モデル: 全ティック
- テストバー数: 1984787
- モデルティック数: 33038210
- モデリング品質: 25.00%
- 初期証拠金: 10000.00
- スプレッド: 10
- 純益: 26893.72
- 総利益: 68813.48
- 総損失: -41919.76
- プロフィットファクター: 1.64
- 期待利得: 41.63
- 絶対ドローダウン: 11.39
- 最大ドローダウン: 1314.65 (3.64%)
- 相対ドローダウン: 5.19% (649.64)
- 総取引数: 646
- 売りポジション(勝率%): 334 (41.62%)
- 買いポジション(勝率%): 312 (42.95%)
- 勝率(%): 273 (42.26%)
- 負率(%): 373 (57.74%)
- 最大勝トレード: 366.61
- 最大敗トレード: -163.68
- 平均勝トレード: 252.06
- 平均敗トレード: -112.39
- 最大連勝(金額): 1802.61 (6)
- 最大連敗(金額): -790.66 (7)
- 最大連勝(トレード数): 1802.61 (6)
- 最大連敗(トレード数): -808.47 (5)
- 平均連勝: 2
- 平均連敗: 2
概して安定したバックテスト結果が得られており、リスク回避力とリターンのバランスが取れています。勝率は42%と決して高くありませんが、プロフィットファクターは1.64と健全な数値を示しています。最大ドローダウン率も3.64%と、リスク許容範囲内と言えるでしょう。連勝や連敗の結果からも、一定の値動きがあれば素早く利確できる一方で、大きな損失に見舞われるリスクは抑えられていることがうかがえます。
バックテスト結果の分析
概要
リバーサルエッジEAのバックテスト結果は、2017年1月から2023年9月の約6年半の期間で行われています。Japan225の1分足を対象に、25%のモデリング品質で全ティックをテストしており、ある程度の信頼性は確保されているものと思われます。
分析
勝率42.26%と決して高くはありませんが、プロフィットファクターが1.64と高水準なのが特徴的です。リスクリターン的にはバランスが取れた運用が期待できそうです。
最大ドローダウン率は3.64%と、許容範囲内と言えるでしょう。一方で約650円の相対ドローダウンは決して小さくありません。ただし、そこから回復して2万6893円の純益を出しているため、リカバリー力は高いと評価できます。
損益の分散状況を見ると、最大勝トレードが366円超と規模は大きいものの、最大敗トレードは163円を下回っています。連勝や連敗のデータを見ても、ある程度の利益は積み上がる一方で、リスクが過度に膨らむことはなさそうです。
評価
バックテスト結果からは、リスクリターンのよいミドルグラウンドな運用が期待できそうです。プラスαを求めるなら勝率を高める工夫が必要かもしれませんが、トレード頻度が高いだけに、慎重に損失を抑えることで安定した利益accumlateを目指すのがリバーサルエッジEAの戦略なのかもしれません。
まとめ
リバーサルエッジEAのバックテストは、長期的に堅実なパフォーマンスを示しており、ミドルリスク・ミドルリターンの自動売買システムとして評価できます。勝率を高めることで、より攻撃的な運用も可能かもしれませんが、慎重に損失を抑えながら利益を着実に積み上げていく戦略自体に一定の合理性があると言えるでしょう。三角持ち合いの相場で真価を発揮する期待がかかります。
フォワードテスト結果の分析
概要
フォワードテスト結果では、約2年1ヶ月の期間でおよそ4万7690円の収益となっています。プロフィットファクターは1.05とやや低めですが、6.43%の収益率は決して低くありません。また、リスクリターン率0.14もミドルリスク・ミドルリターンの範疇と言えるでしょう。一方で勝率30.2%と低く、最大ドローダウンも41.14%と大きめの数値が目立ちます。
分析
勝率は低いものの、平均損失が1万9442円なのに対して平均利益は4万7293円と大きくリードしており、そこが収益源となっています。最大利益と最大損失の開きも2倍以上あり、利益の方がより突出していると言えます。
ただし、最大ドローダウン41.14%というのはかなり大きなリスクを伴う数値です。およそ33万円を一時的に喫することになり、心理的にも精神的にも大きな負担となったことでしょう。
評価
フォワードテスト結果は、入れ替わり立ち替わり大きな勝ちと負けを繰り返しているものの、結果として6.43%の収益率を確保できたことがわかります。収支的には勝ちが出ているものの、勝率が低くドローダウンリスクが大きいため、安心して運用できる性能とは言い難いでしょう。
まとめ
フォワードテストでは勝率が低くリスクが大きめながらも、最終的には収益を出せたという実績が残されています。バックテストに比べるとばらつきは大きく、一発勝負的なパフォーマンスとなっています。勝率を高めてリスクをコントロールできれば、より低ストレスな運用が可能となるはずです。一方で三角雲行場で有効に機能すれば大勝の可能性もあり、総合的に見れば控えめなパフォーマンス評価が相応しいのかもしれません。
このEAの評価
リバーサルエッジEAは、反落を狙うショートと反発を狙うロングの2つのロジックで日経225の値動きをとらえようとするEAです。長期的なバックテストでは堅実な運用実績を残しており、ミドルリスク・ミドルリターンの自動売買システムとして評価できます。リスクを抑えながらも着実に利益をあげていく戦略自体に合理性があるものの、勝率を高めて効率性を上げる余地もありそうです。
一方でフォワードテストでは勝率が30%を切る低水準となり、41%を超えるドローダウンリスクが発生するなど、実際の運用ではやや過熱した結果となっています。ただ収益率は6.43%と申し分なく、大勝と大敗を繰り返しながらも結果として黒字を積み上げられたのは好評価できます。
三角雲行場の値動きに強いとされるリバーサルエッジEAの本領は、おそらく切り返しの多い相場環境なのだと推測されます。そうした場面では両建てを活用するなどして素早くポジションを切り替え、確実に利益を獲得できる可能性があります。一方で順張りのロジックから勝率が低下しがちなことも事実で、そうした点を補うあらたなロジックの追加によって、より完成度が高まることが期待されます。
全体としては、相応の実績と合理的な運用手法を備えており、堅実な自動売買システムとして一定の評価に値するでしょう。相場環境に応じた改良や調整が重ねられることで、さらなる進化と実力発揮が望めそうです。
リスク
このEAを運用する上で考えられるリスクとしては以下が挙げられます。
- 限定的な取引時間による時間的リスク
日経225の取引時間は週休2日で、22時夜間レート更新を除けば終日取引ができません。そのため土日を含めた約48時間は非取引となり、トレンド転換など重大な価格変動が発生した場合に対応できないリスクがあります。 - ドローダウンリスク
バックテストでは最大ドローダウン3.64%でしたが、フォワードテストでは最大41.14%の大きなドローダウンが発生しています。資金管理能力次第ではありますが、大きなドローダウンは精神的にもプレッシャーになる可能性があります。 - 値動きの乱高下によるリスク
日経225は方向感に乏しい三角雲行場の局面が多く、このEAの順張りのロジックが機能しなくなるリスクがあります。値動きの乱高下に振り回されて損失が膨らむ可能性もあります。 - パラメーターの微調整リスク
利確損切りのパーセンテージなどパラメーターによっては、運用実績に大きな違いが出てくるかもしれません。微調整の是非で運用成果が左右されるリスクがあります。 - 価格の突然の変動によるリスク
日経225は世界的な政治経済の影響を強く受ける為、予期せぬ大幅な値動きが生じることがあります。そうした突発的な変動に対応できず、大きな損失が発生するリスクがあります。
これらのリスクを理解し、リスク許容範囲内で運用できる体制を整えることが、リバーサルエッジEAを安定して運用するための重要な要素となります。
このEAのロジックについて想像してみる
バックテストやフォワードテストのデータを検証した結果、リバーサルエッジEAのロジックについては以下のように想像されます。
エントリーロジックは、短期の上下動をつぶさに見極め、それに順張りでポジションを構築する仕組みだと考えられます。1分足の価格動向を確認し、小さな反落や反発のサインを捉えてエントリーしていると思われます。小さな動きにも反応してポジションを構築することで、頻繁なエントリー機会を作り出しているのではないでしょうか。
一方で利確損切りはある程度の値幅を設定しているため、小さな値動きでは利益を確定できない仕組みとなっています。パーセンテージ設定を上手く調整することで、利益の最大化と損失のリスクヘッジをはかっているのだと推測されます。また一定日数が経過したらポジションを確定するロジックも備わっており、長期化してリスクが高まることを防いでいるようです。
そしてエントリーロジックと利確損切りのロジックを組み合わせることで、値動きの激しい局面でも安定して収益を積み上げていく。それが本EAの基本的なロジックなのではないかと想像されます。ただし三角雲行場など特定の相場環境では健闘しにくい面もありそうです。
また両建てロジックを組み込むことで、一時的な値動きの狭小化や三角持ち合い相場にも対応できるようにしているのかもしれません。値動きに機動的に対応してストレス小さな運用を目指しているものと推測されます。
全体として、堅実かつ臨機応変に日経225の価格動向をとらえながら、細かく利益を重ねていくというスタンスのEAだと想像されます。勝率は高くないもののリターンを確保でき、頻繁なエントリーで単発の大損失を回避する戦略と言えそうです。従ってリスクに対する許容範囲次第で、安定運用も可能になると想像されます。
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