fx-onのシステムトレード売れ筋ランキングを見ていたら、面白いEAが一位になっていました。
何が面白いのかというと使用しているロジック。ブレイクアウトシステムを採用したスキャルピングEAなんて今まで見たことがありませんでした。
ブレイクアウトと言えば、チャネルブレイクアウトやアジア時間レンジブレイクアウトなどが有名ですが、これらはレンジ相場で溜まったエネルギーを利用するのである程度の値幅を取ることを念頭にトレードする戦略と言ってもいいでしょう。騙しにかかる可能性がたかいので勝率は低いのですが、一回のトレードで得られる利益が大きいためトータルの収益でプラスにしようという考え方ですね。3割程度の勝率でも機能するのは、たまに出る大きなホームランのおかげというわけです。
ところがブレイクスキャルシステムはいこうした今までのブレイクアウトシステムとは、考え方が少し違っているようです。
ブレイクスキャルシステムはその名のとおりスキャルピングEAに分類されるのですが、エントリーロジックにブレイクアウト時の勢いを利用しています。ブレイクアウトポイントというのは通常は強力な抵抗帯になっていることが多いので、いざ突破されてしまうとストップロスを巻き込みながら一気に価格が跳ね上がっていきます。この時の勢いをうまく掴み、利益確定幅を小さくとることで高勝率を確保したのがこのEAの基本的な考え方なのです。
利益確定幅は5pipsと非常に小さく、一般的なスキャルピングEAと比較してもかなり小さいほうの部類に入るのではないでしょうか。ストップロスは50pipsと一般的な数値になっているので、勝率が高いのはこの小さな利益確定幅の恩恵だと言ってもいいでしょう。
このEAが機能しているのは5pipsという利益確定幅が大きな要因になっているのですが、実際に運用していくためには要求スプレッドの狭さが足かせになることが考えられます。fx-onのフォワードテストではOANDAJapanのデモ口座を使用しているようなので、最低でも同条件のスプレッドを維持できるブローカーじゃないと実運用をするのは難しいかも知れません。
5pipsの利益確定は成り行きで執行しているようなので、運用するブローカーの約定能力も高いものが要求されるでしょう。フォワードテスト結果をチェックしてみると獲得pipsにかなりのばらつきが見られるので、すべてが良い方向に噛み合った時と不利な方向で噛み合った時では年間トータル利益では相当の差がつくことが予想されます。極端な話、儲かっている人もいれば、損をしている人もいるという事態も十分有りうるのです。
ブレイクスキャルシステムのロジック自体は素晴らしいものですが、再現性に関してはかなりシビアなものになりそうですね。
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