EAつくーるを使えば簡単にEAを作成出来るけど
プログラミング不要で気軽にEAを作成できるEAつくーるですが、実際にEAをインストールして使ってみると不便だなと感じることがいくつかあります。
EAつくーるでEAを作成する際には各テクニカル分析のパラメーターを入力していきますが、実際にバックテストをしてみるともうパラメーターの数値を少しだけ調整したいなどと感じることも少なくないでしょう。
そんな時に市販のEAなどは各パラメーターを簡単に調整することが可能ですが、EAつくーるで作成したEAの場合はそう簡単にはいきません。
下の画像を見てください。
各パラメーターがバラバラに羅列されている状態で、このままでは最適化どころかどのパラメーターを弄ればいいのかすらわかりませんよね(T_T)
最適化するためにはどうにかしてこの乱雑に並んだパラメーターを整理整頓しておかないといけません。
しかし残念なことにEAつくーるのインストール版にはパラメーターを整理する機能は付いていません。自分でソースコードを弄って必要なパラメーターだけを表示できるように整理しなければならないのです。
ソースコードを弄ると言うことはプログラムをいじると言うことですよね。プログラム不要でEAを作成出来ると謳っておきながら、最適化するためにはプログラムを弄らなければならないのです(^_^;)
それってどうなの??
何年も前から要望はしているのですが最近は諦めの境地に達しました(笑)
まあ、そうは言っても目の前の問題から目を背けてしまう訳にもいかないのでなんとか頑張ってみることにしましょう。
やらなければいけないことはダブりの整理
説明用にサンプルEAを作成しました。ロジックは短期線と長期線を使った移動平均線クロスです(以下のリンク先から作業データファイルをダウンロード出来ます)。
このEAの短期線と長期線のパラメーターを変更できるように編集してみることにします。
ではさっそくEAつくーるで作成したソースコードを開いてみましょう。
mqlに手を加えるためにはメタエディタという専用のエディタを使用します。専用といってもMT4をインストールした時に一緒にインストールされているので身構える必要はありません。
もちろんタダ(=無料)で使用することが出来ます。
メタエディタを使ってソースコードを開く方法はいくつかありますが、私がよく使うのはストラテジーテスターから開く方法です。
ストラテジーテスターでバックテストしながら修正箇所を見つけたらすぐに開くことが出来るので重宝しています。
ソースコードを開いたら見ていただきたいのは 以下の部分です。
先頭にextern と書かれている行に注目してください。
この行がパラメーターの画面に表示される部分になります。
externが使われている行はEAのプロパティでパラメーターを変更できるので、この部分を弄ることで余計なパラメーターを非表示にしたり、ダブっているパラメーターをまとめることが出来ます。
まずは余計なパラメーターを非表示にしてみましょう。
今回作成したEAで使用したいのは短期線と長期線のパラメーターだけなのでそれ以外のパラメーターを非表示にしていきます。
方法は簡単で非表示にしたいパラメーターのexternの部分を削除するだけです。下の画像のようにintで始まる行になっていればOKです。
削除出来たら「コンパイル」ボタンをクリックしてコンパイルします。
ではストラテジーテスターのエキスパート設定を確認してみましょう。
だいぶスッキリとしましたね!
ここまで来たらあとは短期線と長期線のパラメーターを整理するだけです。
上の画像で残しておくのは緑の四角で囲った行で、赤い四角で囲った行は必要ないので削除してしまいましょう。
削除したらコンパイルボタンをクリックします。すると下のようにコンパイルエラーが表示されたと思いますがこれでOKです。このエラーは先ほどextern int MA_Period11という行を削除したために発生しています。
表示されたエラーをダブルクリックするとエラーが発生している部分にカーソルが移動します(緑の四角の部分)。
double val1 で始まるこの行は短期移動平均線を算出するための計算式です。短期移動平均線のパラメーターとして先ほどMA_Period9だけ残しておいたのでこちらでもMA_Period11の代わりとしてMA_Period9を使います。
エラーが発生している原因であるMA_Period11をMA_Period9に書き換えてコンパイルボタンをクリックしましょう。MA_Period11に関するエラーが消えて6個あったエラーが5個になっています。
引き続き一番上に表示されているエラーをダブルクリックしましょう。
MA_Period12がエラーの原因となっています。
double val2 で始まるこの行は長期移動平均線を算出するための計算式です。長期移動平均線のパラメーターとして先ほどMA_Period10だけ残しておいたのでこちらでもMA_Period12の代わりとしてMA_Period10を使います。
MA_Period12の部分をMA_Period10と書き換えてコンパイルボタンをクリックします。
MA_Period12に関するエラーが消えました。
以下MA_Period13から16のエラーを同様の操作で消していけば目的達成です!パラメーターの入力画面もだいぶスッキリとしましたね!
必要に応じてパラメーター名を変更することもできます。以下の画像のようにMA_Period9を置換を使って置き換えてしまうと簡単です。
わかりやすいように短期線をMA_Short、長期線をMA_Longと変更してみました。
パラメーターを自由に設定出来ると最適化の時に便利
ちょっと面倒くさいですが、EAつくーるで作成したEAはパラメーターを整理することで最適化の効率が格段に上がります。いやむしろこれをしないとまともに最適化できません(笑)
覚えるまでは大変かもしれませんが一度覚えてしまえば単純作業で完結するので、ぜひこの機会にソースコードを開いていろいろと弄ってみてください。
今回の記事で紹介した方法は必要最小限の変更で済ませているので、mqlに詳しくなってきたらさらに無駄を省いてソースコードをスッキリとさせると動作速度にもいい影響を与えるかもしれません。
ブラウザで使えるEAつくーるweb版では変数を設定する機能があるのですが、こちらはベータ版なのでいずれ正式版になったら使い方を説明したいと思います。
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