ブラウザがあればサクサクとEAが作れるEAつくーるWeb版
プログラムなしでEAを作成できる便利なツール『EAつくーる』MT4・MT5対応にはブラウザで使用可能なWeb版が存在しています。インストール不要なのでWindowsだけでなくMacやタブレットなどでもEAを作成できるのが魅力です。
極端な話ですがカフェにiPadを持っていきWi-Fiに接続してEAを作成なんてことも出来るので、時間と場所を選ばずにアイデアを思い付いたら即形にすることが可能です。
基本的な操作はEAつくーると同じなので個人的には動作の軽いWeb版の方が使い勝手の面でお勧めですね。
EAつくーるWeb版を起動してみよう
マイページにログインして「開発する」→「EAつくーる」と進むだけでEAつくーるの作業画面が表示されます。
あとは「基本項目」、「オプション」、「取引条件」を入力していくだけで簡単にEAを作成することが出来ます。
ユーザーインターフェイスの違いはありますが、インストール版のEAつくーると作業自体は変わりないので既にEAつくーるを使いこなしている人には問題なく使用できるのではないかと思います。
EAつくーるでEAを作成した経験のない人は、この機会にEAつくーるWeb版の方からEA作成をスタートすることをお勧めします。
EAつくーるWeb版ならブラウザがあれば作業できるので、外出先でも思いついた時にすぐにロジックの入力をすることが出来るので便利さが格段に違います。
移動平均線クロスのEAを作成しよう
売買ロジックについて
今回作成する移動平均線のロジックについて説明しておきましょう。
移動平均線クロスとは短期と長期の2本の移動平均線のクロスをエントリーのタイミングとして利用する売買戦略です。
短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜けた場合をゴールデンクロス、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜けた場合をデッドクロスと言います。
上の図のように2本の移動平均線の位置関係を知ることが出来ればエントリーのタイミングがわかるのです。
今回のEAにはストップロス(損切り)とテイクプロフィット(利益確定)を設定するのでエントリー後の決済は損切りか利益確定かのどちらかになります。
整理するとこうなります。
【買い条件】
短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜ける(=ゴールデンクロス)
【売り条件】
短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜ける(=デッドクロス)
【決済】
ストップロス(損切り)
あるいは
テイクプロフィット(利益確定)
EAつくーるWeb版に入力しよう
基本項目の内容
まずは「基本項目」から入力していきましょう。
マイページを開き「開発する」→「EAつくーる」→「基本項目」と進みます。
「基本項目」ではEAの基本的な設定を入力することが出来ます。
それでは簡単に各項目を説明します。
【EA名】
ここには作成するEAの名前を入力します。
今回は移動平均線クロスのEAなのでMA-Crossと入力しておきますが、自分の分かりやすい名前ならなんでもOKです。
【ロット数】
トレードするロット数を入力します。
【損切り】
ストップロスのことです。ここで設定した数値になったら損切りをします。ストップロスを設定しないときは0と入力してください。
【利食い】
テイクプロフィットのことです。ここで設定した数値になったら利益確定をします。テイクプロフィットを設定しないときは0と入力してください。
【スリッページ】
注文価格と約定価格の差(滑り)をどこまで受け入れるかの設定です。
【コメント】
注文したポジションにコメントを付けることが出来ます。複数のEAを使用しているときはターミナルにコメントを表示するとどのEAが発注したポジションかがわかりやすくなります。
【作者】
EAのプロパティ画面の「バージョン情報」タブに表示される作者名です。不要でしたら空欄のままにしておいてください。
【URL】
作者名をクリックした際に開くURLを入力してください。不要でしたら空欄のままにしておいてください。
【メモ】
ロジックの内容や開発時に気づいたことなど自由にメモしておくことが出来ます。不要でしたら空欄のままにしておいてください。
基本項目を入力する
それでは基本項目を入力していきましょう。
EA名 → MA-Cross
ロット数 → 0.1
損切り → 100
利食い → 100
スリッページ → 10
コメント → MA-Cross
作者 → あなたの名前(例:パイナップル)
URL → サイトのURL(例:https://mt4trader.net)
メモ → ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り
ここまでの入力が完了した「開発する」→「EAつくーる」→「オプション」へ移動してください。
オプションの入力
オプションについて
EAつくーるには以下のような多彩なオプション機能が用意されています。
- メール
- サウンド
- アラート
- 複利運用
- マーチンゲール
- トレーリングストップ(固定幅)
- トレーリングストップ(移動平均線)
- トレーリングストップ(高値・安値)
- トレーリングストップ(ATR)
- 建値ストップ
- ドテン機能
- 両建て防止
- デモ口座制限
- 口座番号制限
- 取引通貨ペアの制限
- 取引時間足の制限
- 取引業者制限
- 最大スプレッド制限
- 取引時間制限
- 取引可能曜日制限
- 指定時刻に決済
- 一定時間経過で決済
- 週末取引停止
- 一本当たりの取引回数制限
- ピラミッディング
- ナンピン
- 最大ポジション数制限
- 取引回数制限(1回のみ)
- 始値のみエントリー
- 連続エントリー制限
- 五十日(ごとおび)
- 全決済
これらのオプション機能を必要に応じて選択することで使い勝手が向上したりロジックがより強固なものになります。
今回作成するEAは移動平均線クロスでエントリーするだけのロジックなのでオプション機能は必要としません。
しかし、1本のロウソク足で何度もエントリーすることを防ぐため「一本当たりの取引回数制限」だけは設定しておいた方が良いでしょう。
設定方法は簡単です。
「開発する」→「EAつくーる」→「オプション」と進んでオプション画面を表示しましょう。
上の画像のような画面が表示されればOKです。
ひき続き「オプション機能を選択」をクリックして「一本当たりの取引回数制限」をクリックします。
「一本当たりのエントリー回数制限 」の設定画面に移動したらチェックボックスにチェックを入れます。
上の画像のようにチェックボックスにチェックが入ったことを確認してください。
今回はこのオプションのみを使用するのでこれで完了ですが、他のオプションを追加したい場合は同様の操作でオプションを追加していってください。
取引条件の入力
取引条件画面を開く
「開発する」→「EAつくーる」→「取引条件」と進むと「取引条件」画面が開きます。
「取引条件」画面ではインジケーターやロウソク足、数値の組み合わせを使ってロジックを入力することが出来ます。
ポジションの追加もこの画面で設定できます。ポジションを追加すれば順張りロジックと逆張りロジックを組みあわせたハイブリッドEAを作成することも可能です。
今回はシングルポジションのEAなのでポジション1画面に取引条件を入力していきます。
取引条件を入力する
「条件1の設定」をクリックすると以下のような入力画面が表示されます。この画面を使って取引条件を入力していきます。
「ローソク足」 = 「ローソク足」の部分で使用するインジケーター類を選択することが可能です。
今回は移動平均線クロスのEAなので2本の移動平均線を使用します。
「ローソク足」のリストをクリックして「移動平均線」選択しましょう。
これで使用するインジケーターの設定は完了です。
それではまず左側の移動平均線を入力していきます。
左右どちらを短期移動平均線にしても良いのですが、私は左側を短い期間にする習慣が付いてしまっています。
そこでこのテキストでは左側に短期移動平均線のパラメーターを入力していくことにします。
ということは必然的に右側が長期移動平均線のパラメーターということになります。
パラメーターを入力する前にEAつくーるにロジックを入力する際のルールを説明しておきます。
短期移動平均線と長期移動平均線がクロスするということをEAつくーるに理解してもらうためには2本の移動平均線の位置関係を使用します。
下の画像をご覧ください。2本の移動平均線は緑の丸印のところでクロスしているのがわかると思います。
この状態を2本の移動平均線の位置関係で説明すると以下のようになります。
2本前の短期移動平均線 < 2本前の長期移動平均線
1本前の短期ぢ王平均線 > 1本前の長期移動平均線
この位置関係を踏まえて「条件1の設定」に入力していきましょう。
ではまず2本前の移動平均線の位置関係を入力していきます。
今回は短期移動平均線の期間を10、長期移動平均線の期間を50として入力していきます。
【2本前の移動平均線の位置関係~買い】
①移動平均線を選択する
②不等号を入力する
③移動平均線を選択する
④「計算期間」に短期移動平均線の期間を入力する
⑤「計算位置」に短期移動平均線のローソク足の位置を入力する
⑥「計算期間」に長期移動平均線の期間を入力する
⑦「計算位置」に長期移動平均線のローソク足の位置を入力する
⑧入力が終わったら「OK」をクリックします。
以上で「条件1の設定」の入力が完了しました。
【1本前の移動平均線の位置関係~買い】
引き続き1本前の移動平均線の位置関係を入力していきます。
「条件1の設定」の下にある+をクリックしてください。
「条件2の設定」が追加されるのでクリックして以下のように入力します。
上の画像のように入力したら「OK」をクリックしてください。これで「買い」の取引条件の入力は完了です。
引き続き「売り」の条件を入力していきます。
【2本前の移動平均線の位置関係~売り】
「条件(OR)」をクリックして「条件3の設定」を追加します。「条件3の設定」をクリックして入力画面を表示します。
以下のように「条件3の設定」を入力します。
上の画像のように入力したら「OK」ボタンをクリックします。
【1本前の移動平均線の位置関係~売り】
引き続き1本前の移動平均線の位置関係を入力していきます。
「条件3の設定」の下にある+をクリックしてください。
「条件4の設定」が追加されるのでクリックして以下のように入力します。
上の画像のように入力したら「OK」をクリックしてください。「条件4の設定」の入力は完了です。
「条件4の設定」の下にある「買い」をクリックします。
「売りエントリー」を選択して「OK」ボタンをクリックします。
以上で「売り」の取引条件の入力は完了しました。
作成したEAをダウンロードし、インストールする
MT4のEA
①「MT4 EA作成」ボタンをクリックします。
②「MA-Cross.mq4」がダウンロードされます。
③ダウンロードされたMA-Cross.mq4をMT4の「Experts」フォルダにコピーし、MT4を再起動します。
④以上でEAファイルのMT4へのインストールは完了です。
MT5のEA
①「MT5 EA作成」ボタンをクリックします。
②「MA-Cross.mq5」がダウンロードされます。
③ダウンロードされたMA-Cross.mq5をMT5の「Experts」フォルダにコピーします。
④「Include」ファイルボタンをクリックします。
⑤ダウンロードしたファイルを解凍し、フォルダごと「Include」フォルダ内にコピーします。フォルダ名を「Tkool」に変更します。
⑥MT5を再起動します。
⑦以上でEAファイルのMT5へのインストールは完了です。
移動平均線クロスをわかりやすく解説!初心者でもすぐに理解できる
株や為替取引の世界でよく使われるテクニカル分析の一つ、「移動平均線クロス」について、初心者の方でもわかりやすく解説します。これから投資を始める方や、テクニカル分析の基本を学びたい方にぴったりの内容ですので、ぜひお付き合いくださいね。
【移動平均線クロスとは?】
まずは、「移動平均線クロス」の意味を簡単に説明しましょう。移動平均線クロスとは、2つの移動平均線が交差するポイントのことを指します。移動平均線は、ある期間の平均値を計算し、その値をプロットして線を引くことで、為替や株価のトレンド(上昇・下降)を見ることができる指標です。
【移動平均線クロスの種類】
移動平均線クロスには、主に「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」の2種類があります。
- ゴールデンクロス 短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けるとき、それをゴールデンクロスと言います。これは、上昇トレンドが始まるサインとされています。
- デッドクロス 短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けるとき、それをデッドクロスと言います。これは、下降トレンドが始まるサインとされています。
【移動平均線クロスの活用方法】
では、具体的に移動平均線クロスをどのように活用すればいいのでしょうか?
- ゴールデンクロスを見つける ゴールデンクロスが発生したら、それが上昇トレンドの始まりのサインです。このタイミングで買いポジションを取ることで、利益を上げるチャンスがあります。
- デッドクロスを見つける デッドクロスが発生したら、それが下降トレンドの始まりのサインです。このタイミングで売りポジションを取ることで、利益を上げるチャンスがあります。
【注意点】
移動平均線クロスは一つの目安として活用することが重要です。ただし、以下の注意点を把握しておくことが大切です。
- 遅れる指標 移動平均線は過去のデータをもとに計算されるため、いわゆる「遅れる指標」です。そのため、クロスが発生した後にすぐに反応することが難しい場合があります。
- 偽のシグナル 時々、ゴールデンクロスやデッドクロスが発生したと思われる場面があるものの、実際にはトレンドが継続しないことがあります。これを「偽のシグナル」と呼びます。偽のシグナルを避けるためには、他のテクニカル分析やファンダメンタルズ(会社の業績や経済指標など)を組み合わせて判断することが重要です。
【まとめ】
これで、移動平均線クロスについての基本的な知識が身につきましたね!ゴールデンクロスやデッドクロスを見つけて、上昇トレンドや下降トレンドのサインを見極めることができれば、投資の成功率が向上するかもしれません。ただし、注意点もしっかり把握し、複数の分析手法を組み合わせることで、より効果的な投資判断ができるようになります。
投資はリスクとリターンがセットです。移動平均線クロスを含むテクニカル分析を学ぶことで、リスクを最小限に抑えつつ、利益を追求できるスキルを身につけていきましょう。これからも投資の世界で頑張ってくださいね!
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