日本では未だに普及する見込みのなさそうなメタトレーダー5
登場から何年も経っているのに未だに国内でMT5を採用しているブローカーが存在しないのは非常に残念です。MT4もアップデートを繰り返して頑張ってはいるのですが、MT5と比べるとどうしても古さを感じてしまいます。
メタクォーツ社もさっさとMT5への切り替えを進めたいのでしょうがなかなかうまくいっていないようです。MT4が登場した時はMT3からの切り替えにはさほど時間はかかっていなかったと思うのですが、MT4の普及率は当時のMT3とは比較にならないほど高いので参考にはならないでしょうね。
MT4のインジケーターやEAなどの資産がMT5でもそのまま使えれば問題ないのですが、両者に互換性がない現状ではMT4ユーザーとしてはMT5への移行は二の足を踏んでしまうのでしょう。
経過措置としてブローカー側がMT4とMT5の両方を用意してくれればいいのでしょうが、使用料のことを考えると簡単なことではないのでしょうね。
もし国内でMT5採用ブローカーが登場すればゴゴジャンなどの販売サイトはmql5のインジケーターやEAを新規に取り扱うことになると思うのですが、既に販売されているEAやインジケーターをmql5化してくれるのかは不明です。
ゴゴジャンのマイページにログインするとMQL5コンバーターというツールがあるのでソースコードさえあればmql4からmql5に変換できるのですが、EAを自作した人以外はソースコードを持っていないので現実的ではありません。コンバーターを使っても変換できない場合もあるようなのであてにしないほうが良さそうです。
MT4歴が長い人ほどEAやインジケーターを数多く所有しているので、いきなりMT4からMT5に切り替えられると困るのではないでしょうか。MT5でもmql4のEAやインジケーターが使えればいいのに(笑)
【追記】
ついにMT5に対応してくれたブローカーが現れました。
なんとアヴァトレード・ジャパンが国内でMT5を使った取引が可能なブローカーとして名乗りをあげたのです。もちろんEAを使った自動売買も出来るのでこれからどんどんMT5用のEAが出回ってくるのではないかと期待しています。
その日に備えて今のうちからMT5の操作に慣れておく
メタクォーツ社の事情も考えるとMT4が使えなくなる日が来ても不思議ではありません。もちろん近い将来ではないでしょうけど。
MT5は64bitアプリなのでメモリが3GB以上使用できますし、マルチコア対応なので最適化のスピードが非常に速いというメリットがあります。国内のFX取引会社が対応したら即切り替えたいくらい魅力的なのです。
そんな時に備えて今からMT5に慣れておこうと暇さえあれば弄っているのですが、使い勝手はほとんどMT4と変わらないのでそんなに身構える必要はありません。
MT5を使ってみて特に変わったと感じたのはやはりストラテジーテスターでしょうね。
下の画像はMT4のストラテジーテスターの操作画面です。
続いてMT5のストラテジーテスターの操作画面です。
デザイン的な違いはさておき機能面で変わったのが最適化の部分です。そして新たにフォワードテストという機能が追加されています。
MT4では「最適化」という言葉が使われていましたが、MT5では「オプティマイズ」と表記されています。どのように最適化するのかはプルダウンメニューで選択できるようになっています。
「完全アルゴリズム(遅い)」と「遺伝的アルゴリズム(速い)はMT4にも用意されていたのですが、新たに「気配値表示で選択されたすべての銘柄」という項目が追加されています。
そして注目しておきたいのは新たに追加された「フォワードテスト」です。
MT5のストラテジーテスターでフォワードテスト機能を使ってみよう
これを使うことでテスト期間中の1/2、1/3、1/4の期間を擬似フォワードテストとしてバックテストすることが可能です。カスタムを選択すれば日付を指定してフォワードテストをすることも出来ます。カーブフィッティングを避けるために効果的な機能と言えるのではないでしょうか。
使い方は簡単でフォワードテストをしたい期間を選択して最適化を実行するだけです。
最適化結果が表示されますので、重視する項目で並び替えをします。私はリカバリーファクターを重視しているので、「リカバリーファクター」をクリックして並び替えをしました。
一番上の項目を右クリックして「この設定でバックテスト」を選択します。
2014年1月付近からフォワードテストがスタートしていますが、まあまあプラスになっています(笑)
MT5ならバックテスト結果でEAを細かく分析出来る
それではこのパラメーターで全期間のバックテストを実行してみましょう。
フォワードテスト→キャンセル
オプティマイズ→無効化
この2つの設定を変更することで普通のバックテストに戻すことが出来ます。
ストラテジテスターリポートにはMT4にはない項目も表示されるのでより詳細な分析ができます。
このレポートはHTML形式で出力したものですが、実はさらに詳細なリポートを見ることが出来ます。ストラテジテスターリポートの全体を表示すると以下のようになります。
なかなか見応えがありますね。
このグラフを見ることで時間毎、週毎、月毎の取引、損益にバラツキがないかをチェックすることが出来ます。またポジション保有時間もわかるのでどのような性格のトレードをするのかをイメージしやすくなります。
ちなみに今回テストしたEAの場合はポジション最持保有時間が8時間、ポジション最長保持時間が6522時間、ポジション平均保持時間が481時間となっており、かなり長期にわたってポジションを保有するEAであることがわかります。
このようにMT5を使ってバックテストをするだけでかなり詳細な結果が表示されるのです。前述しましたがゴゴジャンにはmql4をmql5に変換する無料のMQLコンバーターも用意されています。MT5に移行したい人は試してみる価値があるかもしれません。
とは言うもののMT4のバックテスト結果を解析するツールもあり、それを使えば詳細分析できるのでMT5ならではというほどの機能ではないのかもしれませんが(^^;)
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