ドル円のスキャルピングEAは浅いストップロスが流行ってる?
ドル円1分足のスキャルピングEA「パーフェクトゲーム」がついにゴゴジャンの売れ筋ランキングのトップに躍り出てきました。
い、いつの間に(笑)
このEAの特徴はなんと言っても最大30pipsという浅いストップロスにより損失を限定しつつ、トレイリングストップにより利益を伸ばしていこうという損小利大のコンセプトを採用している点です。最近のドル円のスキャルピングEAの中にはこのようなコンセプトを採用したものが増えてきている印象があります。
以前このブログでも紹介したことのある飛竜乗雲も浅いストップロスを採用し、テイクプロフィットは設定せずにトレイリングストップで利を伸ばしていこうという考え方でした。
スキャルピングEAと言うとついつい勝率に目が行きがちになりますが、これからは勝率悪化は気にせずに利益を伸ばすことを優先したスキャルピングEAが主流になっていくのかもしれませんね。
パーフェクトゲームで面白いなと思ったのは買いと売りでストップロスの数値を変えていることです。買い20pips、売り30pipsという設定になっており、買いのストップロスの方がタイトになっているのが特徴です。他のEAでもこのような設定を試してみると思いがけない発見があるかもしれないですね。
EAの概要
パーフェクトゲームの概要は以下のとおりです。
【ストラテジーについて】
通貨ペア:ドル円
取引スタイル:デイトレード
最大ポジション数:1
運用タイプ:1枚運用
最大ロット数:100
使用時間足:1分足
最大ストップロス:20pips(買い)、30pips(売り)
テイクプロフィット:なし
両建て:なし
1分足チャートで動作するデイトレードEAでポジションを一つしか持たないシングルポジションタイプとなっています。デイトレードと書いてありますが、ほとんどのトレードが数分から数時間で完結するのでスキャルピングとデイトレードの要素を併せ持ったスタイルと思っておけば間違いないでしょう。
取り引き回数はシングルポジションでありながら1日平均2.5回を確保しているので、なかなかエントリーせずに「このEA壊れてんじゃねーの?」と悪態をつかなくて済むのは嬉しい限りです(笑)
前述したとおりにストップロスが浅いので損失が限定される点は初心者にとっては安心できる部分ではないでしょうか。トレイリング機能が働いているので負けた時でも最大ストップロスにかかることはそう多くはありません。
ストップロスが浅い分勝率は60%台にとどまっており高勝率を売りにしているスキャルピングEAにはまるで歯が立ちません。しかし、負けトレードでの損失を減らし、勝ちトレードでの利益を伸ばすことにより収益曲線はきれいな右肩上がりを描いていきます。この辺はコンセプトの違いなのでどちらが優れているというわけではありませんが、個人的には負けを小さくして利を伸ばしていくタイプの収益曲線の方が好きですね。
バックテストはどうなの?
続いてバックテスト結果を分析していきましょう。
全体的に見ると右肩上がりなのですが、2018年後半から大きく調子を落としているのが気になります。
年ベースで見ると2009、2010、2014、2019年がマイナスとなっており、このEA単体での使用は辛いのかなという印象です。
このEAはタイムフィルターを利用して指定した時間帯でテクニカル要件を満たした場合にエントリーするロジックのようです。タイムフィルター自体はスキャルピングEAではよく使われており珍しくはないのですが、トレードする時間帯が連続していないのは珍しいのかなと思います。
各トレードを緻密に分析した結果このような時間帯を選んだのだと思いますが、あまり見かけない設定なので興味津々です(*^^*)
パーフェクトゲームで素晴らしいと思ったのは勝負の早さで、ポジション保有期間は長くても2時間程度となっています。保有時間が2時間に近づくにつれ勝つことが難しくなっていくようですが、無駄に長くポジションを保有しているよりは早めに損切りをして次のチャンスに備えた方が良いという考え方なのでしょうね。
最後に買いと売りのパフォーマンスの違いについて触れておきましょう。
まずは買いのみでの収益曲線です。
直近の成績は芳しくありませんがそれ以外非常にきれいな右肩上がりとなっています。
続いて売りのみの成績を見てみましょう。
こ、これはΣ(・□・;)
いっそのこと買い専用のEAにした方がいいのではないかと思うほどドローダウンの大きさが目につきます。売りエントリーのカーブが買いエントリーのウィークポイントを補っているのならわかるのですが、特にパフォーマンスの向上に貢献しているようには見えません。どうしてこのようなことが起きているのか・・・
そういえば販売ページにこんな記述がありました。
年間を通して負けたことがないと書いてありますが、バックテスト上はけっこう負けている年があります。
これはStrategy Tester Reportのファイルを間違えてアップロードしてしまった可能性が高そうですね(笑)
EAを開発する際にはいくつかのバージョンをテストすることになるので、複数のStrategy Tester Reportがパソコン上に存在することになります。おそらく出品する際にアップロードするファイルを間違えてしまったのではないでしょうか。
こうなるとせっかく今までやってきたバックテストの分析が全く役に立たないということに(T_T)
つ、つらい・・・
フォワードテストはどうなの?
バックテストの件は諦めるとして、続いてフォワードテストをチェックしてみることにしましょう。
まずは収益曲線をチェックしてみましょう。
ドローダウンの少ない素晴らしい成績です(@_@)
トレード回数も1ヵ月半ほどで67回を記録しているので、1日平均2.5回というトレード数もあながち大袈裟な話ではないようです。
トレードする時間帯に関してはバックテスト同様に3つの時間帯に分けられているようです。バックテストと違うのは3時の時間帯のトレードがないことくらいでしょうか。
面白いのは買いエントリーと売りエントリーのパフォーマンスの違いです。バックテストでは買いエントリーのパフォーマンスの方が良かったのですが、フォワードテストでは売りエントリーのみのパフォーマンスの方が良いのです。
買いエントリーのみ
売りエントリーのみ
買いエントリーがもの凄く足を引っ張っているように見えますが、実際には26.8pips程度のマイナスなのでトータルの成績にさほど影響を及ぼしているわけではありません。今後もずっとこのアンバランスな状況が続くなら考えた方が良さそうですが、現状では特に気にする必要はないかもしれません。
気になって仕方がないという人はEAの設定でOnly Shortを選択し、買いエントリーを回避しておけば安らかな気持ちでEAライフを送ることが出来るのではないでしょうか(^^;)
フォワードテストを見る限りはドローダウンも小さく、含み損を抱えたまま耐え忍ぶということもないのでかなり期待できそうなEAだと思います。今後のフォワードテスト結果(特に買いエントリー)に注目していきたいですね。
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