24時間世界各国のどこかでトレードが行われているFXトレードでは、時間というものが非常に重要な意味を持っています。例えばアジア時間のスキャルピングEAやアジア時間に出来たボックスのブレイクアウトを狙うロジックなどは日本人の活動時間にトレードできるため知っている人も多いのではないかと思います
こうした時間が重要な意味を持っているトレード戦略はEA化するのが非常に簡単です。アジア時間のスキャルピングEAなどはブローカーが意図的にスプレッドを拡げなければ今でも十分に通用する手法ですし、ボックスブレイクアウトの戦略についても適切なフィルターを挟むことで今でも十分に通用します。
こうした時間帯を利用してエントリーする戦略は数多くありますが、エントリーではなくクローズする条件として時間帯を利用しているEAもあります。例えばアジア時間早朝のスキャルピングEA、いわゆる朝スキャEAなどでは、エントリーから一定時間経過したポジションをクローズするという機能を付けることでパフォーマンスが改善することが知られています。
朝スキャではオシレーターの逆張りを利用する場合が多いのですが、売られすぎや買われすぎを検知してから一定時間たってしまうとそのポジションをキープしている意味が薄れてくるのです。いわゆるエントリーの賞味期限が切れた状況ですね。
賞味期限切れのポジションを整理するためにも一定期間経過したポジションをクローズすることは有効な手段なのだと思います。しかも朝スキャの場合は、アジア時間が終わり欧州時間に入って一方向に大きく動き出した場合にストップアウトしてしまうことがけっこうあります。このようなリスクを避けるためにも時間によるクローズ機能を付けているEAが多いのかもしれません。
一方、トレードフォロータイプのEAの場合はどうでしょうか?
クローズの条件に時間を考慮したEAというのはあまり聞いたことがありません。探せばきっとあるのでしょうけど一般的には少ないと考えていいのではないでしょうか。トレンドフォローの場合だと利をどんどん伸ばしたいという考え方が根底にあるので、テクニカル的なクローズロジック以外は付けたくないというのが理由の一つなのかもしれません。
本気モードのトレンドフォローEAの場合はテイクプロフィットすら付けていませんもんね。
しかし、トレンドフォローEAにもエントリーの賞味期限というものはあるのではないでしょうか。
とうわけで適当なトレンドフォローEAを作って試してみたいと思います。最適化で楽をしたかったので今回もMT5で作っています。せっかくMT5を使っているので時間足はMT4には用意されていない8時間足を使ってみましょう。
まずはベースとなるEAをドル円用に最適化してからバックテストしてみます。
続いてエントリーから設定した時間だけ経過したらクローズするというロジックを追加して最適化します。
バックテスト結果は以下のとおり。
だいぶ改善されているように見えますね。パラメーターを見ると755時間を経過したポジションについてはクローズするようになっています。このEAの場合は1ヵ月以上経過したポジションは潔く切ってしまって、新たに仕切り直したほうがいい結果を生んでくれるようですね。
これはエントリーするロジックによっても違ってくると思うので、一概に一定時間経過したポジションは切った方がいいとは言えません。しかし切った方がいい結果が出る場合もあるということがわかったので、選択肢の一つとして引き出しにしまっておこうかなと思います。
「Download」をクリックするとEAファイルをダウンロードすることが出来ます。
コメント
すばらしいアイデアですね
既存のEAに一定時間が経過したら
自動でクローズする機能をつけたいのですが
どのようなことはできるのでしょうか?