FX自動売買の世界には、数多くのシステムトレード手法が存在しますが、ひとくくりに「EA」と呼ばれるツールの中には、実に様々なロジックやアプローチが詰まっています。中にはトレンドを捉えるタイプ、パターン別に絞り込むタイプなど、傾向に沿ったEAが並ぶ一方、ユニークな発想から生まれた手法もあり、そういった斬新な部類に入るのが今回ご紹介する「Platinum Range」です。レンジ相場の動きを捉え、着実に積み上げていく利益重視のEAで、損切りなしの手法が非常に興味深いと言えるでしょう。
このEAについて
- EA名:Platinum Range
- 出品者:MK55
- 販売開始日:-
- 利用者数:0名
- 運用可能会社:FOREX.com、デューカスコピー・ジャパン、楽天証券、FXTF、外為ファイネスト、アヴァトレード、OANDA JAPAN、FOREX EXCHANGE株式会社 等
- 価格(税込): 15,000円
Platinum Rangeは、レンジ相場での取引に特化した、リスク管理と複利運用が可能なEAです。独自のレンジ設定ロジックで最適なエントリーとエグジットを判断し、一貫した利益を狙います。また、市場のボラティリティに応じてリスクを調整する機能や、損切りを前提としない高勝率、利益最大化のための自動決済など、ユニークな仕組みが特徴的です。
EAの説明
Platinum Rangeのメインの仕組みは、価格がレンジ内に収まっている間は保有ポジションを継続し、一定のレンジを上下に抜けた際に新規の買い/売りポジションを入れるというものです。つまりレンジ内のくりかえしで小さな利益を積み上げていき、適度な値動きの中で着実にプラスを重ねていくロジックになっています。
損切りは設定されていませんが、代わりにストップアウト機能が用意されており、マージンレベルが一定を下回った際に自動でポジションをクローズできます。利益確定についても、設定したTPを超えそうな場合は自動的に利益最大化して決済するよう工夫されています。また、複利運用による長期的な資産形成にも対応しているため、リスクコントロールと利益最大化を両立できる点が大きな魅力と言えるでしょう。
ストラテジーについて
- 通貨ペア: USD/JPY、EUR/USD、EUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPY、GBP/USD、CHF/JPY、USD/CHF、CAD/JPY、USD/HKD、GBP/CHF、NZD/JPY、EUR/CHF、AUD/CAD、AUD/USD、USD/CAD、EUR/GBP、EUR/AUD、AUD/NZD、EUR/TRY、ZAR/JPY、USD/CNH、EUR/CAD、NZD/USD、USD/SGD、AUD/CHF、EUR/NZD、GBP/AUD、GBP/NZD、NZD/CHF、GBP/CAD、TRY/JPY、NZD/CAD、CAD/CHF
- 取引スタイル: スイングトレード、ポジショントレード
- 最大ポジション数: 99本(証券会社の上限に準ずる)
- 最大ロット数: 99ロット(証券会社の上限に準ずる)
- 運用タイプ: –
- 使用時間足: M1
- 最大ストップロス(pips): なし(残高指定%にてストップアウト)
- テイクプロフィット(pips): 10pips(指定TP以上で自動決済)
- 両建て: あり
- その他ファイルの使用: なし
- 特記事項: なし
レンジ内での小さな値動きを狙いつつ、レンジを抜けた時点で新規の買い/売りポジションを入れる手法です。時間足はM1を活用し、値動きに合わせたスムーズな売買が行えるよう設計されています。リスク管理では証券会社のポジション規制に準じた上で、追加でマージンレベルによるストップアウト機能を有しています。TPは10pipsと比較的低めですが、それを上回る利益が見込める場合は自動で利益確定するよう工夫されています。
バックテスト結果
- ストラテジーテスターレポート名: Platinum_Range_AUDNZD_M5_v1.00
- 通貨ペア: AUDNZD (Australian Dollar vs New Zealand Dollar)
- 期間: 5分足(M5) 2014.01.02 01:00 – 2023.12.30 01:45 (2014.01.01 – 2024.01.01)
- モデル: 全ティック (利用可能な最小時間枠による最も正確な方法)
- テストバー数: 744987
- モデルティック数: 150464275
- モデリング品質: 90.00%
- 不整合チャートエラー: 83
- 初期証拠金: 10000.00
- スプレッド: 現在値 (28)
- 純益: 93360.40
- 総利益: 93460.35
- 総損失: -99.95
- プロフィットファクター: 935.07
- 期待利得: 3.26
- 絶対ドローダウン: 890.52
- 最大ドローダウン: 8036.23 (11.24%)
- 相対ドローダウン: 35.83% (7637.37)
- 総取引数: 28649
- 売りポジション(勝率%): 13974 (99.94%)
- 買いポジション(勝率%): 14675 (100.00%)
- 勝率(%): 28641 (99.97%)
- 負率(%): 8 (0.03%)
- 最大勝トレード: 36.39
- 最大敗トレード: -23.31
- 平均勝トレード: 3.26
- 平均敗トレード: -12.49
- 最大連勝(金額): 28641 (93460.35)
- 最大連敗(金額): 8 (-99.95)
- 最大連勝(トレード数): 93460.35 (28641)
- 最大連敗(トレード数): -99.95 (8)
- 平均連勝: 28641
- 平均連敗: 8
AUDNZD通貨ペアで過去10年分の長期バックテストを行った結果、非常に高い勝率と大きな利益が確認できました。負けトレードは8回のみで勝率99.97%と圧倒的な数値となっており、エントリーとエグジットが高精度なレンジ設定に従っていることがうかがえます。ただし最大ドローダウン率は35%を超えるなど、一時的な大きな損失もあったことが分かります。
バックテスト結果の分析
概要
AUDNZD通貨ペアの長期バックテストでは、非常に高い勝率99.97%と大きな収益93,360.40円を記録しました。負けトレードは8回のみで、着実に利益を積み上げられる手法であることが確認できます。
分析
バックテストで特に注目すべき点は、圧倒的な勝率の高さとそれに伴う高い期待値です。勝率99.97%、負率0.03%という結果は、Platinum Rangeのレンジ設定が高精度であり、エントリー・エグジットを的確に捉えられていることを物語っています。結果としてプロフィットファクター935と極めて高い値を記録しており、リスクに見合う以上の収益性が窺えます。
一方で最大ドローダウンが35%を超えるなど、一時的なドロー幅が大きくなることもあり、十分なリスク対応力が必要になります。また結果は単一の通貨ペアによるものですが、Platinum Rangeは主要通貨ペアに対応しているため、分散によるリスク低減を図ることも可能です。
評価
長期的な視点で見れば、非常に高い勝率と収益性を持つEAであり、特にレンジ相場での運用に適していると評価できます。リスクコントロールが重要な点は否めませんが、取引時間や通貨ペアを分散させることで分散investmentが可能です。勝率が高いことから、比較的短期間での利益獲得も可能だと予想されます。
まとめ
AUDNZD通貨ペアの長期バックテストでは、Platinum Rangeの高い精度とレンジ相場攻略力を確認できました。勝率99.97%、期待値3.26、プロフィットファクター935と優れた数値を残しており、高い収益性が立証されています。一方で最大ドローダウンも35%を超えるなど、リスクマネジメントが重要な点にも留意が必要です。取引時間や通貨ペアを分散させれば、リスク分散が図れるでしょう。
フォワードテスト結果の分析
概要
フォワードテストの実績データが確認できませんでした。本EAは販売前の段階にあり、実際の運用実績はまだないようです。
分析
フォワードテストの実績データがないことから、実環境での検証は行えていません。しかしながら、バックテストデータから十分な収益性が確認できており、適切なリスク対応を行えば、実運用でも成果が期待できると考えられます。
評価
実運用データこそないものの、バックテストの高い精度から、ある程度の予測は可能です。レンジ相場での強みは活かせると考えられ、リスク分散を図れば実環境でも安定した運用ができるはずです。フォワードテストデータが出次第、改めて評価する必要があります。
まとめ
フォワードテストデータは未確認ですが、バックテスト結果から本EAの高い収益性と実力は確認できました。実運用に向けては、ある程度期待は持てるでしょう。ただし実際の動きをフォワードテストで検証する必要があり、そのデータを待って最終評価する必要があります。
このEAの評価
Platinum Rangeは、レンジ相場特化型のユニークな発想に基づくEAであり、高い勝率と収益力が最大の魅力となっています。バックテストの99.97%という圧倒的な勝率は、的確なエントリー・エグジットを捉えられたレンジ設定の高精度によるものと考えられます。
大きな特徴として、損切りを設定しない代わりにマージンレベルによるストップアウト機能を備え、確実な利益積み上げを実現しています。さらに取引時の利益拡大を狙えるよう、指定TPを超える利益が見込める場合は自動で利益最大化して決済する機能も用意されています。その結果、AUDNZD通貨ペアでの長期バックテストでは93,360円の純益を記録するなど、優れた収益力を発揮しています。
複利運用にも対応しており、長期的な資産形成にも適したEAと言えるでしょう。ただし一時的な大きなドローダウンリスクがあるため、適切なリスク対応と運用資金の確保が肝心です。例えばポートフォリオでの分散運用などで、リスクヘッジを図ることが賢明です。
また、主要な33通貨ペアに対応しているため、分散によるリスク低減とともに、レンジの取れる通貨ペアの組み合わせを選べば効率的な運用が期待できます。さらにM1足での売買に対応しているため、短時間の値動きを素早く捉えられるメリットがあります。
手動売買との大きな違いは、高精度なエントリー・エグジットを実現できる点です。人続けます。
人間の感情や手動操作の遅れから解放されるため、設定されたロジックに完全に従って冷静な売買ができるというメリットがあります。一方で、プログラムの持つ限界も存在し、予期せぬ環境の変化や想定外のイベントに柔軟に対応できない点がデメリットとなります。
総じて、Platinum Rangeは革新的な発想から生まれた実力作で、特にレンジ相場運用に適したEAだと評価できます。長期の資産形成を見据え、堅実な運用を心がける投資家に是非おすすめしたいEAです。一方で一時的な大きなドローダウンリスクもあり、運用時のリスク対策が重要になります。分散投資などでリスクを分散させることで、より安全に運用できるはずです。高い収益力とリスクコントロール力を兼ね備えた点が魅力ですが、使い勝手は人それぞれの投資スタイルによって変わってくるでしょう。バックテストデータからは十分な実力が伺えるものの、最終的にはフォワードテスト結果を確認し、自身の投資スタイルに合っているかどうかを見極める必要があります。
リスク
Platinum Rangeを運用する上でのリスクは、主に一時的な大きなドローダウンが発生する可能性があることが挙げられます。バックテストでも最大35%を超えるドローダウンがあり、十分なリスク対応力が必要となります。適切なマネーマネジメントと分散投資が重要で、最悪の場合にも対応できるリスク許容度を事前に設定しておく必要があります。また、プログラミングの範囲を超えた市場環境の変化や非効率な価格動向が生じた場合のリスクにも注意が必要です。
このEAのロジックについて想像してみる
Platinum RangeのEAロジックは、主に以下のように想像されます。
- レンジ設定: 通貨ペアごとに適切なレンジ幅を設定し、価格がレンジ内に収まっている間は売買を行わない
- エントリー: 価格がレンジを上下に一定幅抜けた際、その方向に新規のポジションを自動で持つ
- 利確: 利益が設定TPに達した際、もしくは目標利益を超えそうな場合に自動で利益確定する
- ロスカット: 損失が一定額に達した際に自動でポジションを切る機能は無し(代わりにマージン維持のため全ポジション反対売買によるロスカットが可能)
- リスク調整: ボラティリティに応じてレンジを細かく調整し、リスクを可能な限り低減する
つまり、レンジ内の小さな値動きは無視し、確実な方向性が出てきた際に迅速に売買を実行する作りになっていると考えられます。同時に、利益が伸びた時点で機動的に利確するなど、勝ちパターンが続く間は損失を出さない仕組みとなっています。一方でボラティリティの高まりに応じて、レンジ設定を細かく調整することで、リスクの最小化も図れる構造です。
全体としては、小さな値動きを捉えつつ、方向性が明確になった時に安全側に転じるロジックであり、着実に利益を積み上げる一方で、大きな損失を回避できるような設計と想像されます。
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